子衿」と「売炭翁」相和歌

<子衿>
青青子衿 青青たる子が衿
悠悠我心 悠悠たる我が心
縱我不往 縱(たと)へ我往かずとも
子寧不嗣音 子寧(なん)ぞ音を嗣がざらんや

青青子佩 青青たる子が佩
悠悠我思 悠悠たる我が思ひ
縱我不往 縱へ我往かずとも
子寧不來 子寧ぞ來らざらんや

挑兮達兮 挑たり 達たり
在城闕兮 城闕に在り
一日不見 一日見ざれば
如三月兮 三月の如し

<口語訳>
青青として鮮やかなあなたの衿、悠悠として長く思う私の心、私が訪ねていかないからって、何故わたしに便りをくれないのですか

青青として若やいだあなたの佩、悠悠として長く続く私の心、私が訪ねていかないからって、何故わたしの処に来てくれないのですか

あなたはあちらこちらに出入りして、城門あたりを歩いてるそうですね、一日あなたに会えないと、三月も会わない気持ちです


<売炭翁>は、いい訳がいろいろあるので、紹介します。

炭焼長者】は、貧しく教養のない男が 神意によって 高貴な妻を得、幸運を手にして裕福になるという栄達譚で、下世話な言い方をすれば《あげまん》の話である。この妻を大事にした男は富み栄え、追い出した男は落ちぶれる。この点は【竜宮童子】と共通する。

長者とは、いかなる人物であったのか。 日本各地に伝播している、炭を焼いていた者が長者になるという伝説は、. 日本という国の草創期から奈良時代を舞台にした、浪漫あふれる壮大な伝説なのである。


 この話は、初婚型と再婚型があり、ここで取り上げる. のは再婚型の一つである。

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